売上分析は重要!6つのフレームワークを使って効率化しよう

売上分析は重要!6つのフレームワークを使って効率化しよう

売上分析は、売上高と各種項目を比べることによって課題を見つける方法です。正しく機能させるには、目的の設定から結果の可視化まで、一連の流れを適切に行える必要があります。その際、因数分解やアソシエーション分析といったフレームワークを活用することも重要です。この記事では、効率的な売上分析に必要な情報を紹介します。

まず、そもそも売上分析が何を指すのか理解しておきましょう。ビジネスの形態や扱っている商品にもよりますが、一般的に売上の内容は細かく分かれています。細分化の項目は、商品や店舗別、顧客別などさまざまです。売上分析とは、それらを比較して営業担当者や企業にとっての課題を発見する方法を指します。比較の対象も幅広いですが、代表的なのは前年度の売上や競合他社の販売実績などです。また、どうして差異が生まれたのかを検討することも売上分析に含まれます。

企業が売上を伸ばして順調に成長していくには目標が必要です。やみくもに取り組んでいると、気付かないうちに非効率的な状況に陥ってしまうケースも珍しくありません。売上分析が重要な理由は、実情に合った適切な目標を設定し、リスクを避けられることです。差異が生じている項目を明らかにして、要因まで把握できれば、売上アップにつながる方針を決定できます。マイナスの差異を生む要因はすみやかに解消し、プラスの差異を生む要因に注力すれば、短期間のうちに大きな成果を得ることも不可能ではありません。

売上分析の例として、商品を提供している企業なら、営業担当者ごとの月間売上を前年同月の実績と比較することが挙げられます。判明した差異と各自の取り組みを照らし合わせることで、どのような要因が潜んでいるのか推察することも可能です。たとえば、売上が10%以上ダウンしている傾向が見られた場合、取引先のニーズを見直すなどの対策が必要でしょう。そのような実情を踏まえて見通しを立てることで、現実的な売上目標を設定できます。

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売上分析は以下に示す3つのステップに分けられます。

売上分析を実施するときは、売上を向上させるためのヒントを得たいと考えているでしょう。それも目的といえますが、有効性を高めるには、なぜ行うのか具体的に掲げなければなりません。売上分析は緻密で論理的な作業であり、ゴールがあいまいな状態でスタートすると、以降のステップに支障が出てしまうからです。なお、目的の例としては、次年度の営業プランを検討する際、従業員ごとに適切なノルマを設けることが挙げられます。無謀な契約件数などを要求すると、従業員は最初から諦めてしまうかもしれません。売上分析の結果を踏まえて、努力すればクリアが可能なノルマを与えることにより、モチベーションを維持させやすくなります。

目的を定めたら次に行うのは売上データの収集です。売上データとは、単純に売上の金額を指すわけではありません。売上のデータ全般であり、とても多くの種類がありますが、企業内に蓄積されるものと企業外から得られるものに大きく分けられます。いずれにせよ、売上データの収集が必要なのは、売上分析の実施に必要な材料を用意するためです。なお、収集した売上データは専用ソフトなどで加工して、売上分析に利用できるフォーマットに統一します。売上データ収集の代表的な例は、会員登録と会員カードの使用による顧客データの獲得などです。また、業界団体や公的機関の調査による統計データの取り寄せなども該当します。

売上データを収集したら、それを用いてデータの分析と可視化を行います。手元に売上データをそろえただけでは、情報が分かりにくい状態であり、うまく役に立てられません。そのため売上データから必要なものをピックアップし、組み合わせて有益な指針を得るには、分析と可視化が必要です。具体的には、表計算ソフトのExcelやマクロを利用してデータを処理し、最終的にグラフ化まで行うケースが多く見受けられます。ただし、売上データが膨大な場合は時間がかかりすぎるうえに、読み込めるデータ量の制限を上回りかねません。そのため、自動処理が可能な分析ツールを用いたり、レポート作成ツールで可視化したりするケースも多いです。

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売上分析を効率的にできるフレームワーク

フレームワークを活用することで売上分析の効率を上げられます。多くの種類がありますが、代表的なものは以下に紹介する6つです。

売上分析の初心者でも使いやすいフレームワークとして因数分解が挙げられます。売上の現象を複数の要素に分けることで、現象の原因を把握するというものです。細かな単位で検証すれば、本質を見いだしやすくなるという考えに基づいています。たとえば、販売会社に提供している商品の売上がダウンしている場合、売上を単価と販売数という2つの要素に分解します。なぜなら、単価に販売数を乗じた数値が売上になるからです。この場合、単価が低いことや販売数の不足が原因の候補です。どれか特定した結果、前者なら相場の調査などが対策になりますし、後者なら販売会社への商品提供やプロモーションの強化が解決につながります。

売上に関わる事柄にはさまざまな関連性があります。関連性に着目することで、単一の事柄だけを見ていたのでは分からない情報を得られることも少なくありません。アソシエーション分析は、これを実現するフレームワークとして優れています。複数の要素をひもづけながら相乗効果を割り出すことがポイントです。たとえば、スーパーで購入される食品には関連性が見受けられます。「洋菓子を買う人の多くは同時に紅茶も購入する」というような内容です。まったく関係のなさそうな商品が実は相互に影響し合っているケースも多々あります。自社の主力商品と関連性の高い商品を見つけ、その開発やマーケティングに力を入れるような施策を立てやすいです。

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現時点の結果をもとに将来を予測することは非常に重要です。重回帰分析はこの用途にうってつけであり、結果に焦点を当てたうえで、因果関係のあるものを抽出します。そして、各要因がどれくらいの影響力を持つのか分析し、相関関係をベースとして今後の成果の推移などを見通すのです。ビジネスで実施される例として、次年度の売上アップを望むにあたり、営業先の開拓や新製品の開発といった要素を割り出すことが挙げられます。そして、それらが今年度の結果に与えた影響を数値化することで、統計学的に次年度の売上も算出できます。

顧客をグループに分けることにより、傾向を把握しやすくなるケースも多いです。RFM分析はその概念によるもので、「直近の購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3点を指標としてグループ化を行います。各指標ごとにスコアを付け、購買状況にもとづいて顧客をランクに分けていくのです。そして、グループごとにマーケティングを変えることで、総合的な売上アップに結び付けます。たとえば、自社の商品をしばらく購入しておらず、最後に使った金額も少ない顧客は、関心が他の企業に移っている可能性が高いです。その場合は、特別にクーポンを提供するなどの工夫により、意識を自社に向けさせる必要があります。

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商品をグループに分類して今後の方針を検討することも有効です。ABC分析では、売上全体に占める割合が高いものをAグループとし、割合が中程度のものをBグループ、割合が低いものをCグループに設定します。これにより、企業の柱になりうる商品や生産停止が妥当である商品などを明らかにし、販促の戦略を組みやすくするのです。また、ABC分析は他の対象に適用されることも多くなりました。たとえば、営業担当者を対象にした場合、Aグループの人たちが使っている営業手法を、BグループやCグループの人たちに学ばせることで、企業全体の売上が底上げされることを期待できます。

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分類を軸とするフレームワークで特にシンプルなのはデシル分析です。「デシル」は10等分を意味する言葉であり、その名のとおり顧客を10のグループに区切って分析を行います。指標となる購入金額順に顧客を並べた表を作成して10等分するのです。そして、グループごとに適したプロモーションを行うことで売上の向上を目指します。たとえば、食品を提供する企業なら、売上記録を参照して取引先の店舗や顧客を分けることが主な作業です。上位のグループには高級食品を積極的にアピールし、下位のグループには安価な食品を勧めるといった柔軟な戦略が可能になります。

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売上分析で活用できるデータのひとつに「レシートデータ」が挙げられます。レシートには単なる売上だけでなく、顧客の思考や市場の実態を把握できる有益な情報が満載です。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザーのリアルな購買行動を把握できます。

さらに「IDレシートBIツール」なら、消費者の購買や併買のデータを、店舗・カテゴリーを横断的に確認できます。膨大なデータを自社で集計・分析するには時間がかかるという場合に利用すると、効果測定の手間が大幅に短縮できるでしょう。また、同ツールでは、独自で構築した膨大なレシートデータから、コンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアなどの店舗別の売れ行きを可視化しています。POSデータでは見えづらかった自社商品の「買う人」と「買われ方」をしっかりと把握できるため、自社と競合商品の実売価格・売上が確認でき、顧客の理解だけではなく、商談時の資料としても利用可能です。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

企業の戦略を講じるうえで売上分析は重要な取り組みです。ただし、時間をかけすぎないように注意しなければなりません。現代のビジネスシーンは変化のスピードが速いので、手際よく進めて有益な情報を得ていくことが必要になります。6つのフレームワークをしっかりと理解し、状況や目的に応じて使い分けられるようになりましょう。

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